© 朝日新聞社 会見を開き、注意を呼びかけた気象庁予報課の黒良龍太主任予報官=東京都千代田区大手町1丁目

 大型で猛烈な台風19号は非常に強い勢力を保ったまま、12~13日に四国から東北に接近、上陸する恐れがある。気象庁は9日午後、通常は列島に接近する前日に行う会見を開いた。先月、千葉県に上陸した台風15号と同程度の暴風で、影響は広範囲に及ぶ可能性が高いという。同庁は最新の気象情報に留意し、特に被災地は早めに対策を取るよう呼びかけた。

 同庁によると、小笠原諸島では9日から、沖縄・奄美や大東島地方は10~11日に大しけとなる見込み。西日本の太平洋側では12日に、東・北日本は12~13日に暴風や大雨になる恐れがある。

 台風19号の進路は太平洋高気圧の張り出しによって決まる。同庁は「一番接近の可能性が高いのは東日本」とする一方、台風が西寄りに進んだ場合、近畿や四国に上陸し、その後、北陸や東北などへ北上する可能性もあるという。

 同庁によると、台風19号は9日午後3時現在、小笠原近海を時速15キロで北北西へ進んでいる。中心気圧は915ヘクトパスカル、最大風速は55メートル、最大瞬間風速は75メートル。

 台風の北上に伴い、太平洋上の前線も北上。台風の接近を前に、10日夜には伊豆諸島で、その後、千葉県でも雨が強まる恐れがあるという。(金山隆之介)